◆『切り取った一瞬を。』発売記念企画◆

あの人にコメントをいただいちゃいました!〜後半戦〜

 

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今も車の中でこのCDを聞いている。
浮いて出てくる感情を切り取ってお話させていただきます。
改めて今回この作品に携わることができたことを誇りに思います。

普段からアーティストである佐藤静奈は、もがき続けることで佐藤静奈で在り続けてるように僕の目には映るし、僕の耳にはそう聞こえる。
心の奥の奥に何かしらの答があると手を伸ばし続ける彼女は、「暗い」ではなく「深い」のだ。
そうこの作品は、聞く人の心の深い場所に仄かな燈を灯してくれる。
決して眩しすぎてびっくりしないように、蝋燭くらいの柔らかくてでも確かにそこにあって照らしてくれて安心する燈。
帰りたい場所に帰りたいんだけど人は迷う、でもその燈を頼りに歩いていけばいつかちゃんと帰れるような気がする。
そんな風に思わせてくれる。

静奈、尊い作品を産んでくれて、遺してくれて、ありがとう。
そして、おめでとう。
たくさんの人達に聞いていただけますように。


 
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静奈ちゃん、

『切り取った一瞬を。』発売、本当におめでとうございます!



作品のタイトルを象徴する楽曲「瞬き」を聴いて、

普段の静奈ちゃんとのギャップに衝撃を受けてぶっ飛びました。



散文的に綴られるメッセージは

繰り返される日常と、漫然と過ぎゆく社会との関係に対する憤り。



そして、本質と瞬間に対する憧れ。



人が誰しも悶々と抱える普遍的な感情を

鋭利なメッセージとサウンドに乗せて振り絞るように歌う姿に心を掴まれました。



静奈ちゃんの魅力はその楽曲のみならず、人間性との振り幅の大きさだと思います。

言うなれば、ギャップ萌え。



「何も持ってないや」とあなたは歌うけれど、

その人柄は、あなたのすぐそばであなたを支えてくれるたくさんの仲間を引き寄せると思います。



この先、静奈ちゃんが悩みながらもがきながら進んでゆくのを、

僕も『切り取った一瞬を。』をお気に入りのコーヒーと一緒に聴きながら、

じっくりと味わいたいと思います。



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あどけなさと、艶やかさの相反するものが同居してて、
永遠と瞬間の相反するものにもがいてて、
温かさと、冷たさの相反するものを手にしてて、
理解してほしくて、だけどそれだけじゃなくて、
「佐藤静奈」っていう音楽は、そんな人の間のジレンマだと思う。
 
こそばゆい所に手を伸ばしたくなるなぁ。
 
 
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静奈さん待望の音源発売おめでとうございます。
ここで、このタイミングで繋がれたことが本当に奇跡的にも思います。
 
同じ場所で生きていても、感じることも違えば、やり方も違うそんな日常で、
もがきながら、悩みながら、それを伝えることもできない、そんなもどかしい心の声が聞こえてくる。
でもそんな中に「希う」気持ちが必ずあることにとても共感しました。
 
この曲たちが、たくさんの人に届くことを希っています。
 
 
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●瞬き
胸が締め付けられるとき、景色から何かを感じるとき、その瞬間の感情や情景が込み上げてくる。
複雑で答えがないからこそ、瞬く間に過ぎ去る日々だからこそ、その一瞬を噛み締めていきたい。僕は希望の歌だと思う。

●ブルーラグーン
人は弱いから、弱いからこそ、愛が必要で、誰かのそばにいたくなる。
軽やかなサウンドと、地団駄を踏むような歌詞が、とても心地良く合わさっている。

●Parfait amour
水面に浮かびながら、さまよっているような、自分自身をつかめずにただただ流れるような、そんな世界が見える歌。
ひたむきな自分を隠すように、例えようのない悲しみを放つからこそ、人の強さも同時にあるんだと信じさせてくれる歌。

●何も持ってないや
広がる世界、広がる心、広がる想い。どんどん抑えきれなくなった気持ちが伝わる。
タイトルとは裏腹に、両手では持ちきれない大切なものを持っていることを思い出させてくれる。
爽快なサウンドと素直な歌詞に僕もまた一歩をと後押しされる。
きっとあなたも。

●ホーム・スイート・ホーム
静奈さんの根っこが伺える歌。やわらかい風景も、生きてく中での安心感も、帰る場所があるからこそ。
感動的に彩られた曲全体の世界観にも胸を熱くする。
帰る場所が灯台の明かりのように、尊いものそのものなんだと感じさせてくれる。
 
 
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これは、久々に、最高のロック・ヴォーカル アルバムがきた!と思いました。
どの曲も、原曲が良い。メロディアスなのはもちろん、ポップ、ロックが本来持っている、「シンプル」さと「力強さ」。
 
アレンジや演奏陣がこれに、またメチャクチャ良い色を添えてるから、1曲目の「瞬き」なんか、単純にかっこええ!!「今」なアレンジが抜群に曲に合ってます。
逆に原曲の良さを生かしたピアノ弾き語り調の「Parfait amour」とか、静奈さんの最大に良い部分、「儚さ」とか「刹那」が出てますね~。
 
静奈さんの世界観は、詩を見ても、メロディからも、どこか探している、もがいている。
たぶん人間なら誰しも持っている感情が描かれているんですよね。
悲観はしていない。でも現実と向きわなきゃ行けない。葛藤。でも希望を捨てられない、みたいな。それが描かれてると勝手に思うのです。
しかも、それがヴォーカルにもすごく出てる。「この人、マジなヴォーカリストだよな~」と、聞きほれちゃいます 笑
上手いとか、声が良いとか、それは当り前なのですが、そこに先述の、独特の哀愁というか、
儚さ がヴォーカルを通して、曲の随所に感じられるのが、すごく良いのです。
 
長くなっちゃいましたが、単純に、5曲通して、すんなり聞けちゃいます。
静奈さんビギナーの方も、今まで何度もライブ見たことある方も。新しい音楽から古い音楽が好きなどなたでも。
絶対にオススメなアルバムです!!
 

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津軽の冬は、青く白いのだと言う。

冬が近づいている。その瞬間に間に合わせようと、必死になっていた彼女の姿を思う。

どうか今すぐ手に取って欲しい。
そしてその言葉を耳に当てよう。

孤独は、他の誰かの孤独と繋がっている。
それを忘れそうな世界を舞台に、彼女は歌っている。
青くて白い世界だ。


2012年の年末、初めて佐藤静奈と言うアーティストと出会った。
私はレコーディングエンジニアで、録音を依頼する電話を受けたのが最初だった。
とても寒い夜で、運悪く屋外にいる時にその電話を受けたことを覚えている。
丁寧な受け答えの向こうに、普通ではない熱量を感じた。

数週間後、彼女はバンドのボーカルと言う立場で録音会場に現れた。
人生において初めてのレコーディング。
思うように行かないこともある。バンドメンバーとの意見の食い違いも露呈する。
それでも、彼女は焦ることもいらだつこともなく、最善を尽くすことだけを選んだ。

2月末、ファーストアルバムが形になった時、私にはひとつの不安が在った。
バンドの中で、彼女のエネルギーだけが際立って高く、バランスを欠いていた。

悪い予感は的中してしまった。
レコ発ライブ後間もなくしてバンドは解散。
彼女は一人でも音楽を続ける道を選んだ。

今作には、一人きりで世界と向き合って来た、佐藤静奈の"その後"が刻まれている。
「途切れた夢」から始まるこの音源を再生した瞬間、心が苦しくなった。
迷い続ける毎日の行く先を、彼女は理性ではなく感覚に求めようとした。
開き過ぎた心は、より多くの傷を拾ってしまう。
はっきりとした痛みこそが自分を感じる手段となる。
切り取った一瞬は、まさに刹那的な鋭さを持っている。

このアルバムは当初4曲を想定して作られたものかもしれない。
何故なら、5曲目だけが"その先"を描いているからだ。
それはきっと、今の彼女の確信であるのだろう。
 
 
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